A.F.の留学エッセイ

著者プロフィール

米国インディアナ大学(Bloomington) 卒業後、大手英会話学校でインストラクター
その後、語学専門学校で講師、企業の英語研修講師、現在都内の大学で英語講師、 千葉県にある大学のエクステンションコースでTOEIC担当。

留学で苦労した事

私は高校を卒業してすぐアメリカの大学に行ったわけではなく、経済的な理由もあり社会人として数年働いた後に留学しました。
お金を節約するために英会話学校にも行かずコツコツと独学でTOEFL(PBT)を勉強し550点を取り、 なんとか大学からの入学許可がだされ、意気揚々とアメリカに旅だって行きました。

現地には問題なく着いたのですが、アメリカ人が何を言っているかさっぱりわからないのです。 わかるのはごく一部の教授の言葉のみ、つまりTOEFLのリスニングのようにはっきり話してくれる人 (ごくごく少数派)だけしか理解できないありさま。
ましてクラスメートが何を言っているのかなんてさっぱり分からない状態でした。 その時は“イヤァー、オーイエス、イエス”なん言って笑ってごまかしていました。 多分、話がかみ合っていなかったことがかなりあったと思います。
あとは、私の発音がよくなかったため、なかなか英語が通じない事があり、たいへん落ち込みました。 つまり発音がダメ→自信をなくし声が小さくなる→より通じなくなるというような悪いスパイラルに陥ってしまうわけです。

これから海外で勉強、又はお仕事をされる方にアドバイスをするとしたら発音はあまり気にしないことです。 とにかく大きい声ではっきりと堂々と自信を持って話してください。絶対、通じます。

留学で最初に苦労した事はやはり言葉の壁でした。 いくらTOEFLで大学の学部入学に十分な点数をとれたとしてもちゃんと日本で話す訓練をしていかなければ ちゃんと話すことができない、そして聞く事ができないのです。
しかし、これらの問題は3ヶ月くらいで解消します。 毎日の環境が英語なので、なんとなく聞けるようになるのです。 あと度胸というか恥をかきすぎて話すことも苦痛ではなくなり、堂々と話せるようになるのです。

文化の違い?どこの毛を剃る?

私はあまりカルチャーショクのようなものはありませんでした。 だだ私の住んでいたインディアナ州はアメリカでも保守的な州で私が日本で抱いていたアメリカの開放的なイメージとはほど遠い印象でした。 学生生活で、とても疑問だったこと(かなりくだらないごとですが)があります。

ある時アメリカ人の友達(男性)と話していたところ、ふと私のすねをみて、「毛を剃ったほうがいいよ」 と言われたのです。そんなにボウボウと生えていたわけじゃないのでいいじゃんというようなことを言ったところ、そこから論議が始まりました。
私はボーイフレンドでもないふつうの友達からそんなことを言われ、ちょっとむかっとしたのです。

そこで前々から気になっていたアメリカ女性の毛も問題を彼にぶつけてみました。
私は「アメリカ人女性で顔にボウボウと毛の生えていて、うっすら口ひげが生えている人がたくさんいるだけれど、それはどうなんだ!」と言ってみました。
しかし、かれは「That's OK」と言ったのです。
そこで究極の選択をさせてみました。1. すね毛ボウボウの女、2. 顔の毛がボウボウでヒゲのある女、1も2も同じくらい美人で性格もよし。
さぁ、彼はどちらを選ぶのでしょう?なんと彼は2のひげ女をえらんだのです。

このことはずぅーっと日本に帰ってきてからも気になっていて同僚のアメリカ人、カナダ人女性に聞いたところ、やはりすねの毛は許せないようです。 顔の毛はむしろセクシーなんて言ってました。文化の違いです。 常に相手の文化の違いを認め尊重しなくてはと思います。

沈黙は金ではない

日本ではあまりペラペラしゃべらず、黙っていたほうがなんとなく軽くない人とか思慮深い人、とか思われがちですが、 アメリカでは何も意見のないちょっと賢くない人と思われることがあります。
私が大学生活で気がついたことなのですが、もちろん性格的におとなしいアメリカ人もいますが、彼らはたいていよく意見を言います。
あと、あなたはこのことに対してどう思うんだ!?というような事をよく聞かれます。 本当に彼らはプレゼンテーションの能力が高くはっきりと堂々と話します。 小学生の頃から授業などでとても訓練されているからなのです。 多くの帰国子女の言動、行動がどうどうとしているのはそのせいではないでしょうか。

(これも全員ではありませんが)今度ニュースなどで一般のアメリカ人がインタビューされているところを注意して見てみてください。 照れずにはっきりと意見を言っていますよ。小さな子供でさえなかなかのものです。 これはイギリス人の知り合いもアメリカ人はとても articulate(考えを明瞭に表現する)だと言っていました。
私たちは一概に欧米とひとくくりに表現する事がありますがやはり国が変われば同じ言語を話していても文化ももちろん違いますね。

日本でもプレゼンの授業を早いうちからするべきだと思います。 そうしないと日本人は国際社会でまともにビジネスの競争ができないと思います。
私の企業研修の経験でプレゼンの研修を行った時などは本当にプレゼンの練習の必要性を感じました。 せっかくいいアイディアを持っていてもうまく表現できない人が多いのです。 ましてそれが英語になるとますますダメになってしまうのです。しかしそれは練習次第でなんとかなります。 あとは余裕があればユーモアのあるコメントも入れたいですね。

とにかく自分の意見をちゃんと言えるためには、世界で何が起こっているのかなど、いろいろな事にアンテナをはり、 そのことについて自分はどう思っているのかなど関心を持っていなければならないのだと思います。 そのことを英語でかっこ良く言えるといいですね。私もちゃんと言えるようになりたいです。日々勉強です。

留学前にやっておいた方がいい事

■コンピューターの基本的操作(多分今時は大多数の方は使えると思いますが)
特にブラインドタッチ、手書きの提出物はないと思います。ライティングの量がかなりあり、 ブラインドタッチができると早く課題ができる。
■英語の読書に慣れる。
英語の速読ができるとはやく課題ができ、授業の準備もはかどる。なんせ、かなりの量を授業前に読まされますよ。
■日本にいても毎日努力して英語に浸る
二カ国語放送でテレビを見る、幅広い分野で見る。ドラマ、ニュース、映画などインターネットで記事を読む(BBC,CNNなど利用) できれば英語で話ができる状況を作る(友達、英会話教室)
■健康管理
持病のある人は医師に相談
歯の治療をしておく(歯が痛いと勉強に集中できません)
心身が強ければあらゆる困難を乗り越えられるかも?
■イメージトレーニング
なんの為に留学するのか考え、目標をしっかり持ち、やり遂げるんだという強い気持ちをもつ。 しかし、同時にあまり心配しすぎないように。行くと大変なことがたくさんありますが、それ以上に得るもの、楽しいこともたくさんあります。

多分、行く前にやる事はもっとあると思いますが、頑張ってください! このアドバイスのなかで私が一番役に立ったのはイメトレです。 留学した後も辛い時、これを頑張れば将来バラ色の人生と勝手に想像し何度を危機を乗り越えました。
実際帰国後バラ色の人生ではありませんが、いろいろな危機に遭遇した時の土壇場の対処が多少帰国後のほうがよくできるようになったと思います。 どこに住んでいても大変なことが起きるわけですが、やはり外国では想定外なことがよくあります。
必ず、対処法があるはずです、あきらめずに頑張りましょう。

【参考】どの英会話学校がいいの?

この質問は本当によく聞かれる質問です。 特に最近大手の英会話学校が倒産しどの学校がいいか迷っている人が多いと思います。 私は○○学校が一番いいです。と答えたことがありません。 なぜなら大事なのはどの学校ではなく、誰に教えてもらうかなのです。 いくつかの学校選びのポイントを私の大手英会話学校勤務の経験からあげてみます。

★トライアルレッスンを必ず受けてみる。

どこの学校でもただでミニレッスンのようなものが受けられます。 そこでは入会してもらいたいので一番いい先生を用意するはずです。 そこで気に入った場合、もし先生を指名できるのであればその先生でお願いしますと言ってみては? 違う先生ではやりませんぐらい言っても大丈夫です。

★学校の支払いのシステムをチェックする。

月謝、一括払い、ローンをくむのか?入学金は?
私、個人的には月謝払いをおすすめします。いくら大手の英会話学校でも倒産することがあります。 だいたいお金は返ってきません。リスクを避けるためにも月謝払いを勧めます。 もし月謝払いがないのであれば、一番短い期間の契約にしましよう。

★教材チェック

テキストなどの教材を見せてもらいましょう。 最初にそのクラスで使わない補助教材等(DVD、本など)を売りつけてくるような学校はやめましょう。

★振替レッスンなどのサービスをチェック

英会話の一回のレッスン料は安くはないです。 契約期間内で休んだときはどうなるのかチェックしてください。 振替ができるのかどうか?その条件は? (連絡がなく当日本人の都合で休む場合は通常振替レッスンは出来ないところがほとんどです)

★やたらと安い授業料もあやしい

安かろうー悪かろうーじゃ困ります。(もちろん安くていいところが一番です) 授業料が安いという事はその先生に支払われる報酬も安いわけです。 ということは安い給料で働かざる先生たちがいる学校というわけです。 その条件でで満足する先生というのは旅行者気分の先生、報酬が低いのでいつ辞めてもいいと思っている先生、 つまり授業の準備も工夫も時間の無駄と考えなるべく楽をしたいと思っている先生がいることが多いのです。 あとこのように先生の報酬が低いところは先生の定着率も低く、毎回先生がかわりいつも自己紹介というクラスになってしまいがちです。 特に英会話初級レベルの人には向いていません。 英会話中級、上級者でただしゃべりたい人にはいいかもしれません。

★先生の定着率のいい学校

先生が長くその学校で働いているという事はいろいろな意味で働く環境がいいということです。 担当の先生も落ち着いて受講生のことを最後まで見てくれると思います。 あと先生が学校の文句を受講生に言うようなところはやめましょう。

★やたらと契約を勧められてもはっきりノーと言える強い心を持つ

英会話学校の営業の人はかなり必死です。つまり多くの学校は訪問者は必ずゲットしたいのです。
例えば説明する場所が狭い換気の悪い部屋だとして、3時間、4時間近く営業員から説明された場合、 酸欠状態になり正しい判断が出来ないこともあります。 何時間も説明を聞いた後、他の学校に言ってまた説明を聞くのかと思うと面倒くさくなり、ハイ、やります!と言ってしまいたくなりますよね。 私は夕方来た英会話学校の訪問者が終電がなくなるまで説明を聞かされたとう苦情をきいたことがあります。
営業員はとても感じがよくお話がとても上手な人が多いので、冷静に判断してください。 夜遅く行く事はお勧めできません。特に疲れているときは判断力が鈍ります。
もし、迷っているのなら他の学校も見たいのでまた来ます。又は説明は一時間でお願いします。 とかあまり引き止められるようでしたら、はっきりと時間がないと言いましょう。
高い買物です、たくさんお金が余っている人以外は慎重に!

★英会話学校のお得な利用方法

英会話学校ではグループレッスンという安めのレッスンがあり昼間の時間は人数も少なく、 グループレッスンという名のセミプライベートレッスンもあります。 一対一のプライベートレッスンも存在します。 受講料は安く中身はプライベートレッスンというものもあり、利用できる人はお得です。 あと英会話の上級者のグループレッスンというのもお得な場合があります。 一般的に初級者が多いのでグループレッスン人数が比較的に少なく特に昼間に来れる人はかなり特です。 しかし、夕方6時以降無理です。英会話学校のゴールデンタイムなので人数も多いはずです。

★大学のエクステンションコースもチェック

最近はいろいろな大学で社会人のコースを作っています。 人数は少し多いかもしれませんが、しつこい勧誘もなく気楽に英語の勉強がリーズナブルにできます。 近くの大学のホームページを調べてみましょう。人気のあるコースは抽選をします。