バスでの長旅
全米を結ぶ長距離バス(グレイハンバス)でサンフランシスコからカンサス州に向かいました。 乗車してしばらくは気分がわくわくしましたが、バスでの長距離旅行は始めての体験であり、 狭い座席の限られた空間で、身動きもままならない長時間の旅はとても疲労が激しく辛いものとなりました。
カリフォルニヤを出発していくつもの州の要所要所でバスが停車するのですが、最初のうちは物珍しさもあって さほど疲れを知らずにいますが、何日も長時間揺られているうちに、だんだん自分の体であるという感覚が薄れてきて、 体が浮いているような気分になるものです。
そうなると、バスが停車し、一旦下車しても、疲れが充分とれないため、 楽しいはずのバスの旅も苦痛にしか感じなくなるものです。 それは今想うと、ニュースでよく耳にするエコノミック症候群のような兆候だったのかな、、、と思います。
何日かのバス旅を経て、カンサスについた頃(記憶にない)には私は病院のベッドの上にいたのです。 長旅に慣れていないためか意識を失って病院に担ぎ込まれたそうです。 しかし、バス会社の方々の親切な対応のお陰で数日のうちに回復し無事にキャンパスに帰ることが出来ました。
今のように航空機の旅が当たり前の時代では想像もつかない出来事ですが、 今ではそれが楽しい語りぐさになってしまうのも歴史がそれを忘却へと導いてくれたのでしょうか。